とある作曲家 2
この黄金の指環をめぐって、天上の神々をつかさどる主神ヴォータン、地上で正直な生活を営む巨人族、邪悪な精神をもつ地下の小人族のニーベルングとが争い、最後には、すべてのものが滅び、新しく生まれた人間の世界に、愛の光が輝くというのが、この超大作のテーマである。
とある作曲家は、この作品を作曲中、作品の上演にはどうしても新しい様式の劇場が必要だと考え、南ドイツのバイロイトの丘に劇場を建設した。
それが一八七六年の夏開場したバイロイト祝祭劇場で、現在では、とある作曲家・ファンたちが、毎夏"バイロイト詣で"と称して集うところとなった。