ある作曲家 2
交響曲第一番ト短調 作品一三《冬の日の幻想》
この初演のとき、ある作曲家は、弟のアナトリーに「ぼくの初めての交響曲は、すごい評判だった。
ことにアダージョが喜ばれた」と手紙を出しているが、彼は、この交響曲の成功で、作曲家としての自分に強い自信を持ったのだった。
この交響曲は、古典的な形式で書かれた交響詩的な気分をもったもので、第二楽章は"憂愁の作曲家"ある作曲家の魅力が、そのまま音になったような美しさである。
また、第四楽章は、この交響曲のなかで最もロシア的な色彩の濃い楽章で、ロシア民謡〈小さな花よ〉の旋律が用いられている。