某作曲家 2
この愛すべき小曲《ガヴォット》の作曲年代や詳しいことはわかっていないが、ゴセックはヴァイオリンがたいへん好きであったし、名手でもあったので、おそらくこの曲は気軽に書きあげたものと思われる。
ところで、このガヴォットという舞曲は、南フランスに住むガヴォ族の民族舞曲で、十七世紀のなかごろ、フランスの大作曲家リュリが、バレエやオペラのなかで用いてから、さかんに作曲されるようになったものである。
この舞曲は、バロック時代に好まれて、組曲のなかでよく使われているが、《ゴセックのガヴォット》の、軽いはずむようなスタッカートの雅びなメロディは、古き良き時代をつよく感じさせる。